給与明細を見ると、総支給額から大きく引かれて手取りになっている。その差を少しでも縮める方法が「控除」だ。
控除には種類がたくさんあって、全部把握している人は少ない。年末調整で自動的に処理されるものもあれば、自分で確定申告しないと受けられないものもある。申告し忘れると、もらえたはずのお金がそのまま消える。
この記事では会社員が使える控除を一覧で整理する。自分が毎年チェックしている項目をもとにまとめた。
まず「控除」の仕組みを30秒で理解する
「控除」とは、課税所得(税金の計算のもとになる金額)から差し引ける金額のことだ。
控除が増える → 課税所得が下がる → 税金が減る → 手取りが増える
という流れになる。同じ年収でも使える控除をフル活用している人と、何も申告していない人では、手取りに年間数万〜数十万円の差が出ることがある。
年末調整で申請できる控除
毎年12月前後に会社から書類が届く「年末調整」で処理できる控除だ。会社に書類を提出すれば自動的に反映される。
基礎控除(48万円) すべての人が受けられる控除。特に申告不要で自動的に適用される。
配偶者控除・配偶者特別控除(最大38万円) 配偶者の年収が一定以下(配偶者控除は103万円以下、配偶者特別控除は201万円以下)の場合に受けられる。共働きでも条件次第で使える。
扶養控除(16〜63万円) 16歳以上の子ども・親などを扶養している場合に受けられる。年齢と同居・別居によって金額が変わる。大学生の子どもがいる場合は特定扶養控除(63万円)になるケースもある。
生命保険料控除(最大12万円) 生命保険・介護医療保険・個人年金保険の3種類で、それぞれ最大4万円ずつ、合計最大12万円の控除が受けられる。毎年秋に保険会社から届く「控除証明書」を年末調整に添付する。
地震保険料控除(最大5万円) 地震保険の保険料に応じて最大5万円の控除。火災保険単体は対象外。
小規模企業共済等掛金控除(iDeCoの掛金全額) iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金が全額控除になる。これが大きい。会社員は月最大2万3,000円(年27.6万円)まで掛けられる。所得税率20%の人なら年間55,200円の節税になる計算だ。
→ iDeCoとは?会社員が節税しながら老後資金を増やす方法
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除) 住宅ローンを組んで家を購入した場合、年末残高の0.7%が税額控除になる(2022年以降の制度)。初年度のみ確定申告が必要で、2年目以降は年末調整で対応できる。
確定申告が必要な控除
年末調整では処理されないため、自分で確定申告する必要がある控除だ。申告しなければ戻ってこない。
医療費控除 1年間の医療費が10万円(所得200万円未満は所得の5%)を超えた場合に申告できる。本人だけでなく生計を一にする家族の医療費も合算できる。通院の交通費(公共交通機関のみ)も対象だ。
→ 医療費控除の申請方法|会社員が確定申告で取り戻せるお金の計算と手順
ふるさと納税(ワンストップ特例以外) 確定申告が必要な人や、6自治体以上に寄付した場合は確定申告での控除申請が必要。ワンストップ特例制度を使えば確定申告不要だが、他に確定申告する事情がある場合は寄付分もまとめて申告する。
雑損控除 台風・地震・盗難・詐欺などで財産に損害を受けた場合に申告できる控除。普段使う機会は少ないが、被害を受けたときに知っておくと助かる。
自分が毎年必ず使っている控除
参考までに、自分が毎年実際に申告している控除を書いておく。
- iDeCoの掛金控除(年末調整)→ 毎年数万円の節税になっている
- 生命保険料控除(年末調整)→ 秋に届く証明書を忘れずに提出
- ふるさと納税(ワンストップ特例)→ 年末までに申し込んで返礼品をもらう
医療費控除は年によって申告する・しないが変わる。家族全員の医療費を合算して10万円を超えた年は確定申告している。
控除の申告漏れを防ぐチェックリスト
年末調整のタイミング(毎年11〜12月)
- [ ] 生命保険料控除証明書を保険会社から受け取ったか
- [ ] 地震保険に加入していれば控除証明書を手元に用意したか
- [ ] iDeCoに加入していれば「小規模企業共済等掛金払込証明書」を提出したか
- [ ] 配偶者・扶養家族の状況に変化があれば申告したか
確定申告のタイミング(毎年2〜3月)
- [ ] 1年間の医療費が10万円を超えていないか
- [ ] ふるさと納税をワンストップ特例以外で行っていないか
- [ ] 住宅ローン1年目なら確定申告したか
よくある控除の申告ミス
「年末調整で全部終わると思っていた」
医療費控除はじめ確定申告が必要な控除は年末調整では対応できない。「全部会社がやってくれる」と思い込んでいると、毎年数万円を取り損ねることになる。
「少額だから申告しなくていいかな」
医療費が年間11万円あれば、控除額は1万円。所得税率20%なら2,000円の還付になる。小さいようで、10年続ければ2万円だ。申告自体はe-Taxで30分もあれば終わる。
「iDeCoの控除証明書が届かなかった」
10月頃に国民年金基金連合会から届く。転居していたり書類管理が雑だと見逃しやすい。届いていなければ再発行を依頼できる。
節税は「難しいもの」ではなく、「知っているかどうか」で決まる部分が大きい。年に一度、このリストを見返して申告漏れがないか確認するだけで、手取りが変わってくる。
→ 会社員の節税術まとめ|年間10万円以上取り戻すための全手法
→ 会社員の確定申告完全ガイド|年末調整でカバーできない控除を取り戻す方法
つみたてサラリーマン 管理人


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